今日も深爪

爪を切るのが絶望的に下手な1998年生まれ。

大切なものの話

先日、将来の夢について書いたブログに「ほしい物リスト」を載せたところ、次の日にタクスズキさんから贈り物が届きました。ありがとうございます!

山田航さんの『さよならバグ・チルドレン』と
尼崎武さんの『新しい猫背の星』



山田航さんの歌集についてはまた別の記事で書く予定にしておきますが、今回は尼崎武さんの『新しい猫背の星』についての感想を。

感想文なんてものをちゃんと書くのは中学校3年生ぶり(しかも歌集の感想を書くことに関しては初めて)なので、きっとグダグダになってしまうと思いますがお付き合いいただけたら幸いです。



 〈歌集〉の〈感想〉の書き方が全然わからずに、考えていたら一文字も書くことなく、ここまでで既に2時間半くらい経ってました。

 いい加減書き始めないと何も始まらないので、右も左もわからないまま出発します。無免許運転、見切り発車。

  

 私は初めての歌集を読むとき、最初は全体を掴むため、二度目は心に残った歌を書き留めるために、同じ時間のうちに2周すると決めているのですが、その、二度目に書き留めた歌の中から何首かを選んで紹介して、感想を書いていく、という形にしようかと。

 

俺いつも笑っているし知らぬ間に誰かを救えているんじゃないか - 僕らはみんなミステイク

 

大好きなきみのリクエストにこたえ歌う4分33秒 - 僕らはみんなミステイク

 

喜んでくれてる顔を想像しひとあしさきにしあわせになる - はしれ、しあわせもの

 

好きすぎて死ぬと思っていたものを好きな気持ちで生きながらえる - うごくおとうさん

 

教室であの時きみが歌ってた歌詞の間違ってる方が好き - 屋上の飛行機雲

 

まぶしさを直視できずに僕たちは大事な夢を茶化して笑う - やっぱり光について 

 

恋のこと 妹のこと 大切なものの話をもっと聞かせて - いつか観覧車に

 

つかの間のしあわせのこと何回も思い出しては忘れてしまう - いつか観覧車に

 

思い出がセピアに染まらない病でいつまでもあざやかに苦しい - いつか観覧車に

 

 

 収録されている323首から9首を選びましたが、少なくともこのブログを読んでくれている方の2割は『新しい猫背の星』に興味を持ってくれたんじゃないかと思っております。

 

 9首中3首が「いつか観覧車に」という連作からの引用であることから、既にご察しいただいているかもしれませんが、この歌集の中で私はとびきり「いつか観覧車に」が好きです。もちろん、今の自分の気持ちにリンクする部分が多いというのも一つの理由ではあるけれど、今じゃなくっても、きっと何年たってもこうしてかわらぬ気持ちでこの連作は私にとって特別なものであり続けると思う。

 

 本の初めから、ぽかぽかとしたやさしい歌、色に例えるなら淡いオレンジ色の歌がぽんぽんと続いていくなかで、突然ハッとしたように、水色の歌が出てきたり、あるいは背景ごと真っ暗になってしまったり、でもやっぱりあたたかくて、いつまでも眺めていたくなる、そんな歌集でした。(語彙力と表現力の限界)

 

 それから、これを書きながら『新しい猫背の星』を読み返していて気づいたことなのですが、私は短歌を読むときに無意識的に「五、七、五、七、七」と音節で区切って読んでしまうのだけど、この歌集ではそれをしていなくて、ただ一行詩を読んでいるような感覚で読んでいました。



 この記事は、私にとっての防空壕みたいなカフェで書いていて、オーナーさんに『新しい猫背の星』を見せたら「えっ、これも短歌なの?」っていう反応をしてくれて。この本を作ったのは私ではないけれど、その反応がとても嬉しかった。

 きっと、「短歌」と聞くと、万葉集とか古今和歌集みたいな「古典作品」「和歌」っていうイメージを持つ人もたくさんいると思うんですが、そんな人にこそ読んでほしい歌集だな、と。とりあえず現代短歌を読んでみてほしい。
 好きな人に振られてしまった、とか、大切な人を傷つけてしまった、とか、そんな方に響く作品がたくさんあるので、そんな方々にも読んでほしい。ソースは私です。

 

 下にAmazonのリンクを貼っておきますので、是非。